「孤独」と「悲しみ」は同義ではない

2009年07月27日

帰省日記

久しぶりに降りた田舎の駅が、あの頃よりも寂れて見えたのは都会に慣れたからなのか、まるでかまってもらえずにヘソを曲げたようだった。
おかんが嬉しそうに話す町の新しい盛り場も心なしか気恥ずかしい。
おばあちゃんに会いに行こうと小さな車に乗り込んでは、少し老け込んだように見えるおかんから目をそむけるようにして、変わりばえのしない町並みばかりを見てた。
昨日は雨が降ったから、埃が落ちて山が鮮やかに見えるでしょ
そんなの知ってるよ何年住んでたと思ってるの
そうやね

すっかりボケてしまったおばあちゃんはどんなに歳を重ねても、僕なんかまるでわからないくらい呆けてしまっても、咳をする時に口元を隠そうとするその仕草が愛しくて、フケやシャツの汚れもわからないのだけれど、薬品とすえた匂いのする建物の中でまるで場違いな気がして泣きたくなった。

玄関で僕を迎えたのはもう肉の塊のようになったトントンで、真っ白になってふやけてしまった目はもう僕を捕らえることもないのだと思うと、おばあちゃんのこともあって、なんだか見たくないものをすべておかんにおしつけて、この町に封じ込めて僕は生きているようで、なぜだか耐え難いほどに苦しくなった。
トントンが、おばあちゃんが、おかんが、この町と一緒に腐っていくようで吐き気がした。
もう動かせるところがない硬くなった体なのに、牛乳にひたしたパンを鼻先に近づけてやると、それでも口を動かして食べようとする。床ずれて肉が壊死した部分は、おかんがかけてやった消毒薬で赤黒く毛が染まり、尻尾の付け根には乾きかけた排泄物がこびりついてまた黒く、骨と皮だけになった体は呼吸するごとに少しだけ上下して、それで何とか生を確認できるようなのに、それでもまだ死ねないと言っているように、口に入れてやるパンを咀嚼し、針のない注射器から漏れるミルクを嚥下する。
撫でてやると、少し硬くなったような、ごわごわする毛がそれでも懐かしい。
もう逝ってもいいんだよ、と骨の浮き出たあばらをさすりながら話しかける僕の声は届いているのだろうか。
わたしが心配で逝けないのよ。いつまでも番犬のつもりなのよ、とおかん。

少し酔って帰ると、玄関を開けるのに躊躇した。
その時に見上げたのは満天の星空で、何年も見てきたはずなのに驚いてしばらく目が離せなかった。思えばこの星空を見上げながら海に程近い学校から坂を登って家まで自転車をこいたものだ。
タバコを吸いながら、星空を見上げて昔よくトントンと散歩したコースを歩き、それ以降彼女のことを考えるのはやめた。僕はいつだって卑怯だ。

いつもは怖いから窓の鍵は閉めて寝てるのよと言うおかんをまたいで風の通り道をつくり、風呂に入った後は広い家の片隅に布団を敷いて、冷たいシーツに潜り込んで、目を閉じた。
蛙の声に耳を傾けていると、素敵な夜だと思う間もなく眠りに落ちた。
眠りにつく寸前に襖の向こうからおかんの静かな寝息が聞こえてきた気がしたのだけれど、それは気のせいだったのかもしれない。
僕はいつだって卑怯だ。
そして故郷はいつだってそんなことは当たり前だと僕に言っているようで、嘘がバレた子供みたいにいこごちが悪くなって逃げ出したくなる。

小さな飛行場で腰掛けて、雨の中を飛び立つ飛行機を見ていると、昔ビートたけしがTVで言っていたことをふと思い出した。
「大学中退した時に、そんなことは露知らず稼いだ金を毎月送ってくるかあちゃんにおいら大学辞めたよって言えなくてさぁ、そんときなぜかかちゃん死んじゃわないかなあって思ったんだよね。怒られるのがこわかったんじゃないんだよなぁ。あれ、なんなんだろう。」
posted by ミグリン at 18:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 はてなブックマーク - 帰省日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月21日

Wonderful Tonight



中学生の頃の友達だと言うとみんな驚くけれど、彼と15年もの月日を過ごした意識なんて少しも感じてなくて、いつも新鮮な驚きをくれる。
幸せそうな彼の歌う、この曲が、ほんとうに、ほんとうに良かった。
照れ隠しで「恥ずかしい」と言う僕に、むちゃくちゃ練習したと、照れずに答える彼がうらやましかった。
ドラムを叩きながら歌う彼を見て、涙を流す花嫁がほんとうにうらやましかった。
君が世界で一番綺麗だと照れずに言える、彼にぴったりの曲。
今の今まで、こうして書くまで自分の醜さを感じることも無く、ただ無邪気に、こどものようにその一途な愛を羨ましいと思っていたよ。
幸せな時間をありがとう行って良かった。

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夕方、遅くに
彼女は何を着ようかと迷っている
化粧をして
長いブロンドの髪をといて
そして、僕に聞くんだ
「これで大丈夫かしら?」
僕は言うんだ 「ああ、今夜の君は綺麗だよ」って

僕らはパーティーに行って
みんな、僕と一緒に歩いているこの女性を見ようと振り返る
そして、彼女は僕に聞くんだ
「気分はどう?」
僕は言うんだ 「ああ、今夜は素晴らしい気分だ」って

ホントに素晴らしい
なぜって、君の瞳に愛の輝きが見えるから
それなのにホント不思議なのは
僕がどれ程君を愛しているのか
君はまったく分かってないんだから

もう帰る時間だ それに頭が痛くなってきた
それで彼女に車のカギを渡し 彼女は僕をベッドまで連れて行く
そこで僕は電気を消しながら言うのさ
「ねえ、ダーリン、今夜の君は素晴らしかったよ。
ホント、ダーリン、今夜の君は素晴らしかったよ。」って


posted by ミグリン at 22:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 はてなブックマーク - Wonderful Tonight | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

椅子

夏ですねべとべとしてますかくせー汗かいてますかメソメソしてますか露出度高めですか何時もより多めに香水ふってますか?
世間は花火大会なんぞにうつつを抜かしているようですけどアレはいい!できることならプール若しくは海水浴→飲酒→花火大会→屋台でイカ焼→飲酒→家まで送りが最高ですね。送りは勘弁していただきたい?ハイ死んだー。 っていうエントリーをマンションの前に捨てられた椅子に腰かけてタバコとスミノフ入れながら書いてますじっとり汗かきながら。
風はねーわ星はみえねーわ女はいねーわ最高やけんね。
夏はいいですね救いようもない思いでも無くて。
そんなどーしようもない僕や君たちに送る最高の曲はコレです。


クール・アンド・ザ・ギャング/サマー・マッドネス
おまえらマンションの前に集合な。
posted by ミグリン at 21:28 | Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 はてなブックマーク - 椅子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月06日

怪人

k20b5no1ue.jpg

K-20みたお('・ω・`)
B級なんだろうなぁと思っていたら予想を裏切るB級具合だったので安心しました。
なんか思ってたのとは毛色が違ったんですけど、そこは素直にエンターテイメントでよかったんちゃうんかとか思ったりもしたんですけどね。なんてったってみんな演技が演劇バリに大げさなんですものわらっちゃうわワタクシ。オペラかおもた。怪人だけに。
そいでまぁそういう同情を引くくだりとか、もっともらしい言い草とか抜きにして最初から最後までエンターテイメントだったら良かったなぁって思うよ例えば「ゼブラーマン」みたいに。くだらないことやってんのになんか面倒くさいこと言わずに、真剣にくだんなくしてくれたらもっとよかったなぁ。原作あるから無理か。
あと松たか子さんは馬面だなぁとおもったよ。口がいつも半開きだし。
ってさんざん書いといてあれですけど面白かったよ。
☆いっぱいあげちゃう。
 ↑ココミソ。あえて数字あげないっていう!

あとどーでもいいけどオープニングアニメーションがテラMARVELな。
posted by ミグリン at 22:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 はてなブックマーク - 怪人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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